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1. 資金需要増で銀行間金利上昇、為替はドル高・ドン安に

　2025年11月下旬の金融市場では2つの動きが目立っている。銀行間金利が上昇する一方、国際市場で米ドル安が続く中でも通貨ドンは対ドルで緩やかに下落した。両方とも同じ時期に起きているが、それぞれ異なる要因が背景にあり、市場環境の違いを反映している。

銀行間金利の上昇

　ベトナム銀行間市場研究協会(VBA)によると、25日のVND建て銀行間翌日物金利は前日比+0.7％pt上昇の年6.5％となり、8月以来の高水準となった。

　◇1週間物：年6.5％(同+0.5％pt上昇)、◇2週間物：年6.45％(同+0.45％pt上昇)、◇1か月物：年6.0％(同+0.6％pt上昇)、◇2か月物：年6.5％(同+0.25％pt上昇)、◇3か月物：年6.55％(同+0.15％pt上昇)。

・・・＜続きはサイトでご覧ください＞(記事本文には、直近3か月のVND建て銀行間翌日物金利のチャートあり)

ベトナム企業詳細調査レポート

2. 週間☆アクセス数上位ランキング！（2025年11月24日～2025年11月30日）

　このコーナーでは、前週のベトナム株・経済情報（www.viet-kabu.com）のアクセス数の多かった記事を紹介いたします。

1 位 ビンファスト、Q3は増収も赤字拡大　会長長男を取締役に任命

　不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は2025年7～9月の未監査財務諸表を発表した。納車台数が国内外で急増し売上高は大きく伸びたが、事業拡大に伴うコスト負担から赤字幅が拡大した。

　また、同社は国際展開を加速する中で、VICのファム・ニャット・ブオン会長の長男であるファム・ニャット・クアン・アイン氏を取締役に任命した。

売上は堅調に推移、成長優先で赤字続く

　ビンファストは依然として市場拡大とブランド浸透を最優先としており、短期的な収益改善よりも販売網整備や技術投資、製品レンジ拡大を優先する姿勢だ。国内市場では13か月連続で四輪EV販売トップを維持し、海外でもインドやインドネシア、米国、欧州市場で存在感を高めている。

・・・＜続きはサイトでご覧ください＞(記事本文には、2025年7～9月の主要実績の表あり)


2 位 ビンファスト、電動二輪事業が急拡大　自社製電池と価格政策が寄与

　不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)の電動二輪事業が大幅に成長している。販売構造が関係企業依存から一般消費者中心へシフトし、国内市場で存在感を高めている。価格戦略の見直しや販売モデルの転換に加え、政策環境の変化も追い風となっている。

販売急増、関係先向けは1％に縮小

　2025年7～9月の未監査財務諸表によると、同期の電動バイク・電動自転車の納車台数は12万0052台で前期比+73％増、前年同期比では約6倍となった。1〜9月期は23万4536台となり、前年同期の5.9倍へと急増した。

　一方、7～9月におけるビンファスト製EV・電動バイクのレンタカー・タクシー会社であるグリーン・スマート・モビリティ(GSM)など関係企業向けの比率はわずか1％に低下し、過去最低水準となった。1～9月期でも5％にとどまり、需要増加の中心が一般顧客へシフトしていることが鮮明だ。

・・・＜続きはサイトでご覧ください＞(記事本文には、ビンファストの関係企業向け販売比率のチャートあり)

3. 今週の銘柄評価

　アグリバンク証券[AGR](Agriseco)はビナコネックスの名で知られる大手ゼネコンであるビナコネックス[VCG](Vinaconex)株の理論株価を1株2万7500VND(約163円)と評価し、投資評価を「買い(Buy)」とした。

　AGRは、公共投資の加速に伴う建設需要の拡大と、不動産市場の回復を背景に、VCGの業績が今後も堅調に推移するとの見方を示している。

　7～9月の建設事業売上高は8兆0200億VND(約475億円)となり、前年同期比+46％増と大幅に増加した。同期間、全国で250件以上の重要インフラ案件が着工・完成しており、公共投資の実行ペースが明確に加速している。

　VCGが参画する主要事業では、カマウ空港拡張やホーチミン～ロンタイン高速道路拡張プロジェクトなどが順調に進捗している。また、ロンタイン国際空港関連パッケージでは、予定通りまたは計画を上回る速度で工事が進んでいる。

　さらに、投資総額2兆7000億VND(約160億円)のラソン～ホアリエン高速道路整備プロジェクトでは、着工から3か月で進捗率16.5％に達し、橋梁20基すべてが同時施工段階に入っている。

　現在、同社の受注残高は約30兆VND(約1780億円)とされ、2025～2026年の売上成長を下支えする見通し。

　一方、不動産事業も回復基調が強まっている。2025年7～9月の不動産売上高は前年同期比+64％増の1兆2690億VND(約75億円)となった。主力案件である「グリーン・ダイヤモンド(Green Diamond)」、「ベラ・ダイヤモンド・シティ(Vera Diamond City)」、「ビナコネックス・ダイヤモンド・タワー(Vinaconex Diamond Tower)」の引き渡しが進んだことが寄与した。

4. 編集後記

　毎週、スタッフの持ち回りでお届けする「編集後記」。
　今週はベトナム人スタッフのNguyen Thanhより、「旧フーイエン省の海辺に静かに佇むタインルオン寺」のお話です。

　旧フーイエン省(現・南中部地方ダクラク省)には、海のすぐ近くにひっそりと建つ「タインルオン寺(Chua Thanh Luong)」があります。観光ガイドに大きく載るような場所ではありませんが、訪れた人はみんな「また来たい」と思うそうです。華やかさよりも、静けさと落ち着きが心に残るという寺です。

　この寺の特徴のひとつは、建物の一部がサンゴやココナッツの殻で作られていることです。海辺にある寺ならではの素材選びで、自然と調和した素朴なたたずまいが印象的です。潮風に触れ、長い年月を経たサンゴの白い質感は、まるで時間そのものを静かに蓄えているかのようです。

　入口には左右に黄金の守護獣が置かれており、まるで「ようこそ」と優しく迎えてくれているかのようです。最初の一歩で、気持ちがすっと落ち着いていく――そんな場所なのだそうです。

　さらに進むと、蓮の池の真ん中に観音菩薩像が見えてきます。池にかかる石の小道を歩くと、自然と歩みがゆっくりになり、深呼吸しながら自分と向き合う時間が流れます。

　この観音像にはひとつの逸話があります。昔、地元の漁師が海で偶然見つけた像を寺へ奉納したことから、“海から運ばれた仏縁”の象徴として広く知られるようになったと言われています。

　境内には、漢字で刻まれた楞厳経の石碑が並んでいます。立ち止まって文字を眺めていると、ただ経典を残しているというだけでなく、心を落ち着かせ、自分を整える時間を与えてくれる場所だと感じられます。

　寺の周りには、波の音、風の匂い、そして遠くの漁船のエンジン音が静かに溶け込み、どこか懐かしく、生活と信仰が自然に寄り添ってきた時間が感じられます。華やかさではなく、暮らしに根ざした信仰の形がそこにあるのです。

　私はまだこの寺を実際に訪れたことがありません。でも、写真を見たり話を聞いたりするたびに、ここは「行く場所」ではなく、心が向かう場所なのだと感じます。忙しさに追われたり、考え事が増えて心に余裕がなくなったりした時、ふと思い出して、行きたくなる――そんな場所なのではないでしょうか。 

photo by Nguyen Thanh’s friend
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今回は、ここまでです。
最後まで、お読みいただきましてありがとうございます。
今後とも、「ベ トナム株・経済情報」をよろしくお願いいたします。